脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ化促進など経済構造の転換が強く求められている現下の情勢も踏まえ、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」が、2022年4月22日閣議決定されました。


背景・必要性

  • 2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%削減(2013年度比)の実現に向け、エネルギー消費の約3割を占める建築物分野での省エネ対策の加速
  • 木材需要の約4割を占める建築物分野での木材利用を促進し、吸収源対策の強化に寄与

法案の概要

1.省エネ対策の加速(建築物省エネ法・建築基準法・住宅金融支援機構法)

①省エネ性能の底上げ・より高い省エネ性能への誘導

  • 全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付け(現行は中大規模の非住宅のみ。十分な準備期間を確保する。)
  • トップランナー制度の拡充、誘導基準の強化等を通じ、ZEH・ZEB水準へ誘導
  • 販売・賃貸時における省エネ性能表示の推進

②ストックの省エネ改修や再エネ設備の導入促進

  • 省エネ改修に対する住宅金融支援機構による低利融資制度を創設
  • 市町村が定める再エネ利用促進区域内について、建築士から建築主へ再エネ導入効果の説明義務を導入
  • 省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化

2.木材利用の促進(建築基準法・建築士法)

①防火規制の合理化

  • 大規模建築物について、大断面材を活用した建物全体の木造化や、区画を活用(高い耐火性能の壁・床での区画により延焼抑制)した部分的な木造化を可能とする
  • 防火規制上、別棟扱いを認め、低層部分の木造化を可能に

②構造規制の合理化

  • 二級建築士でも行える簡易な構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の拡大(高さ13m以下→16m以下)等

参考

国土交通省報道発表資料